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厚生年金基金は積立不足の拡大で、会社の悩みの種です

年金掛け金不明 送金、帳簿の6割だけ 生保会社へ入金とズレ=長野

 県建設業厚生年金基金(佐々木力理事長)で、年金の掛け金約21億9000万円が不明となっている問題で、帳簿に記載された額の約6割しか、資産運用を委託している大手生命保険会社に送金されていなかったことが17日、関係者への取材でわかった。帳簿上はつじつまが合っていたため、不明金の発覚が遅れたとみられ、県警は掛け金の流れを慎重に調べている。
 同基金によると、加入業者から集めた掛け金は、事務経費を除いた全額を生保会社に毎月送金することになっている。
 関係者によると、掛け金の出入りを記録した同基金の会計帳簿上は、事務経費を差し引いた正当な金額が生保会社に送金されたことになっていた。しかし、実際の生保会社への送金額は、帳簿に記載された額の約6割だけで、差額は計約21億9000万円に上った。この不明金のあった期間は、2006年6月から10年9月までだった。帳簿上はつじつまが合っていたため、同基金の月例監査などで不明金が発覚しなかった可能性が高いという。
 8月19日に生保会社から「入金額が不自然に少ない」との指摘があったのをきっかけに、同基金の内部調査や関東信越厚生局の特別監査で、不明金の存在が明らかになった。
 生保会社は07年頃から毎年決算時に、口座や帳簿を1人で管理していた同基金の男性事務長(52)に対し、「入金が少ない」「月によって入金額にばらつきがある」などと指摘していたという。
 事務長は今月9日から行方がわからなくなっており、県警は、事務長が何らかの事情を知っているとみて所在の確認を急ぐとともに、同基金の経理書類の分析を進めている。
 一方、同基金の調査委員会(委員長・中川信幸理事)は17日、第2回会合を開き、運用委託先の生保会社から事情を聞くなどして、問題発覚までの経緯を確認した。調査委員会は10月初旬までに、不明金発生の経緯や管理態勢の問題について報告書をまとめる方針。

[読売新聞社 2010年9月18日(土)]