中小企業に合っている
私はそう思います。あなたは?
「退職金の制度は必要」が持論の
㈱北見式賃金研究所 北見昌朗です。
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退職金制度は日本的な賃金体系の1つ。あながち否定するべきでない
退職金というものは、世界中を見渡しても、日本しかないと言われています。だから今後は「退職金の制度を廃するべきだ」という意見があります。「このような古い制度はもう要らない」というのです。
退職金制度は必要なのか? 不要なのか?
議論の分かれるところです。
北見昌朗は社会保険労務士として、また給与制度や退職金制度のコンサルタントとして、多くの相談に乗らせて頂きました。その経験から「退職金の制度は必要だ」「特に中小企業は一時金の形で退職金を残した方が良い」と申し上げたいです。
退職金というのは、確かに日本独特な制度です。しかし、だからといって否定するのはアングロサクソンに毒された意見です。日本人には、日本人のモノの考え方や習慣があり、それを大事にした方が日本人に合っています。
北見昌朗は歴史の研究家でもあります。日本の近代史、それも給与制度や退職金制度の歴史を過去に遡ってみてみますと、やはり先人の知恵というものを感じます。例えば、定期昇給とか、賞与なども、日本的な制度です。では、なぜ、定期昇給や賞与があるのでしょうか? それには次のような理由、訳があるのです。
なぜ賞与があるのか?
答え「業績の変動に対する調節弁です。これがないと毎月の給与が上下します」
なぜ定期昇給があるのか?
答え「勤続の奨励のためです」
このように考えれば、退職金制度についても同じように答えることができます。
なぜ退職金があるのか?
答え「会社と社員との間の別れがやってくるからです」
会社と社員との別れは、定年退職のみではありません。自己都合で途中で辞める人もいますし、なかにはリストラだってありえます。いずれにせよ"別れ"です。その際にお金を渡す方が、円満だということは誰だって想像できます。
退職金の制度を廃止すると、会社清算の際に困るかも?
退職金制度は、残した方が良いと、北見昌朗は思っています。その考えに至った一番の理由は、リストラ相談だったかもしれません。業績不振に陥った会社を相手に、人員整理の相談に応じることもありますが、その際の議論の的は「退職金の割増」でした。
退職金という制度があるから、その割増も議論に乗せることができるのです。もし制度そのものがなかったら、希望退職すら募集することができません。
また退職金制度には、"手切れ金"という意味だってあります。だから廃止しない方が良いのです。
退職金制度とは、いってみれば先人の知恵です。
在職中の貢献度を反映させたい
退職金の制度は、その多くが「基本給」を算定の基礎に置いています。この方式は、今でも一般的です。しかしながら基本給というのは、過去の昇給の累積ですから、勤務年数が長ければ自然に高くなります。
また、過去の好景気な時代に生きた中高年は有利ですが、最近のマイナス成長時代を生きる若年層には不利です。だから基本給に単純に連動させた方式では、制度として良くないのは明らかです。
したがって、退職金制度は在職中の貢献度を反映させたものであって欲しいです。
自己都合で退職した人の額を減額させたい
退職金といえば、定年時を想像するかもしれませんが、実際に退職する人は途中の退社、つまり自己都合退社が多いのが現実です。だから会社は「自己都合で、どんなケースで辞めたら、いくら出るのか?」という研究を突っ込んでする方が良いです。
退職金という性格上、自己都合退職で減額されるのは当然です。
そして、辞め方もいろいろあります。例えば「顧客を奪ってライバル会社に転職する人」だっているぐらいです。退職金の制度は、こんな場合にも、あんな場合にも、対応できるものにしておきたいところです。
ポイント制は中小企業で運用できない
退職金の制度として、ポイント制の方式を採用する会社もあるようです。しかしながら北見昌朗は、中小企業がそれを導入するのに反対です。等級号俸制の職能資格制度など、退職金制度として導入しても、形だけのものになっている場合が多いです。中小企業は、昇格とか降格という管理ができない場合が多いからです。
企業規模や支払い能力に合ったものでありたい
退職金制度は、金利の低下によってクローズアップされてきました。イマドキは効果的な資金運用の方法があまりないので、どこの会社も困っているようです。
もはや金利はアテになりません。掛け金の元本のみです。そう考えれば、支払い可能な額は、自ずから見えてくる、限界があるはずです。
退職金の水準を決めるに際して、公的な調査や統計は参考にしない方が良いです。厚生労働省や都道府県や経営者協会の出している「モデル退職金」などを参考にしていたら、会社は退職金制度で倒産しかねません。
年金ではなく一時金で払いたい
役所が出している資料をみていますと、よく出てくる用語は「一時金」制度とか「年金」制度というものです。北見昌朗はあまりそれを意識していません。なぜなら「年金」となっている制度であっても、実際には「一時金」制度になっている場合が多いからです。例えば過去にあった「税制適格退職年金」制度の場合、実際には一時金を選択する社員がほとんどだったので、実質的には一時金でした。
退職金は、年金ではなく、一時金で支払った方が良いと北見昌朗は思っています。一時金制度だからこそ、貢献度で足したり、逆に引いたりすることが容易であり、それが会社の労務管理上で必要だからです。
だいたい、円満に別れるためには、一時金制度の方がインパクトがあります。
401kは中小企業には合わない
退職金の制度を混乱させているもの、それは401k、つまり確定拠出型年金制度です。株価などが低迷して大損しているからです。
だいたい、401kなどという制度は、中小企業には合わないです。だって、給付が60歳以上にならないと原則ないからです。それでは社員に辞めてもらう時に”円満退社”になりにくいです。